亜鉛はAGAの育毛・発毛に無意味

亜鉛は育毛サプリの代表的成分

育毛とサプリメントについて調べると必ず出てくるのが亜鉛です。

なぜ亜鉛が育毛サプリのひとつとして有名なのかというと、髪の毛の成分であるケラチンを作るためにアミノ酸に加えて亜鉛が必要だからです。亜鉛が不足すれば当然髪の毛のケラチンも生成できなくなるため、薄毛に繋がるし、亜鉛を摂っていれば髪の毛を作ることができるわけです。

そのため亜鉛は髪の毛を作り出すための必要な材料のひとつになるのです。

しかし亜鉛が不足していて起こる薄毛はAGAではなく円形脱毛症やびまん性脱毛症です。

亜鉛の5αリダクターゼ阻害効果は微妙

亜鉛が5αリダクターゼを阻害するという論文が英国皮膚科学会誌に掲載されました。5αリダクターゼが抑制されればジヒドロテストステロンが作られなくなり、脱毛シグナルも出ないことからAGAの抜け毛を抑えることに繋がります。これはAGA治療薬のフィナステリドと同じ働きです。

しかしこの論文は人が亜鉛を摂取した場合のデータではなく培養細胞に亜鉛を加えたときの働きを書き記したものであり、人が経口摂取で亜鉛を摂取しても同様の効果が出るかは未知数です。そのため亜鉛が5αリダクターゼを抑制する働きがあるのかどうかも現時点ではわかっていません。

亜鉛単体で育毛に関与することはないと考えられる

上記の論文では人が経口摂取したときの亜鉛の働きは一切触れられておらず、細胞で起きたことを人体で同じように発生させようとすれば尋常じゃない亜鉛を摂取する必要があり、亜鉛で育毛は考えるだけ無駄、という結論に至ります。

フィナステリドを飲んだ上で亜鉛とたんぱく質を多く摂取する

亜鉛単体にAGAに対抗できるような作用はありませんが、たんぱく質とともに髪の毛の材料として必須のミネラルであることに間違いありません。

ですから亜鉛はたんぱく質と一緒に毎日意識的に摂取して元気な髪の毛を作れる状態にすることは間違いではありません。しかし前提はフィナステリドを飲んでAGAの抜け毛が止まった状態でいることなんですね。

というのも、髪の毛の材料が潤沢に体内にあっても、育つよりも早く抜ける脱毛シグナルが毎日のように毛根に働きかけ数百本の髪の毛が抜け続けるからです。

AGAであればサプリや栄養素などに頼っていては絶対に症状が改善することはありません。フィナステリドを飲むだけで他には何もせず抜け毛が止まるわけです。それから亜鉛を摂取すれば健康的な髪の毛が生え揃うでしょう。

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